足アーチの役割とアライメントへの影響

足アーチの役割
足アーチは、靭帯や筋・腱によって構成されたアーチ型をした足の骨組みのことで、接地時において衝撃を吸収する役割を果たしています。 アーチがつぶれてしまうと、足部やアキレス腱、さらに膝周囲にまで痛みを引き起こすことがあります。 また足アーチの高さにも個人差(左右差)があるので、自身の状態を知ることも重要です。
足のアーチ構造を示すイラスト。横アーチ、外側縦アーチ、内側縦アーチの位置が示されている。
横アーチ
足裏にある血管や神経などを圧迫から守る役割があります。
外側縦アーチ
足の小指に力を与え、歩行時に姿勢の安定を保つ機能があります。
内側縦アーチ
主に踵まずのことで、接地時の衝撃を吸収する役割があります。
足底アーチは、ランニングやジャンプなどで足に体重がかかるたびにバネのような動きをします。 このバネの働きが体重を足全体で受け止めるように分散し、衝撃を吸収しているのです。 しかし、この足底アーチは長時間の運動や、かかとが外反しすぎることで元にもどる力がなくなり、徐々に下がってきます。 下がったアーチは伸びきったバネのようになり、衝撃を吸収しきれず、足の疲れやケガにつながります。
正常な足アーチが衝撃を吸収している様子のイラスト。
正常なアーチ
下がった足アーチにより衝撃が吸収されず、筋肉に負担がかかっている様子のイラスト。
アーチがつぶれて衝撃吸収できない
バランスの崩れの多くは、足部アライメントが影響している
足部アライメントの影響による身体バランスの崩れを示した3体の人型イラスト
[身体の崩れ]
足はいうまでもなく、身体全体を支える土台です。土台(足部アライメント)が崩れると、足首、膝、さらに背中や首まで連なる全体のバランスに影響を及ぼします。 歩行、走行時の筋肉や関節の痛みの原因になる場合があります。一説には75%以上の人に何らかのバランスの崩れがあるともいわれています。
足部アライメント異常が全身に及ぼす症状の位置を示す人体図(脳・首・腰・膝など番号付き)
足底腱膜炎
踵骨(かかとの骨)と足根基節骨(足ゆびの骨)をつないでいる足底腱膜が、変性や炎症によって痛みをきたす状態。 大人に生じがちなかかとの痛みのうち、もっとも頻度が高い疾患です。
外反母趾
足の親ゆび(母趾)が、その付け根で曲がって外側に向いている状態になること。 女性に多い疾患です。
腰痛症
腰痛は非常に多くの人が経験する症例の1つです。原因は多岐にわたり、筋肉や関節の損傷、姿勢の悪さ、肥満、加齢、椎間板変性や椎間板ヘルニアなどが主な要因とされます。 他の部位に痛みを引き起こすこともあります。特定の原因が分かっている場合でも、足部アライメントが調整影響しているとも多く言われています。